放課後

キーンコーンカーンコーン、放課後が始まった。ざわざわと群れながらのろく帰る人たちを横目に当番の数人で掃除を始める。きれいになってんだかなってないんだかわからないてきとうな感じで掃き終えると誰ともなく教員を呼びに行き点呼して解散する機械的な儀式。帰路につく。あ、ネクステ忘れた、明日テストだったか。教室に戻る。誰もいなく電気もついていない、午後四時半の頼りげのない日光が居心地悪そうに差し込んでいる。声だけでかいあの子がいなければずっとしゃべってるあの二人組もいない。まるで骨のような静けさ、でも心地いいかも。窓が開いてる閉め忘れかな、白い雲の隙間からちょっとだけ青い空がはみ出ている。アルミサッシの冷たさを避けるようにセーラーの袖でよりかかると知らないうちにひんやりとなった10月の風が首もとをくすぐった。下を見ると校庭をまばらな人影が横切っている。人は生まれる前から死んだ後まで人と関わって生き、社会に組み込まれた人生を過ごす。人と関われない者は異常者と呼ばれ疎外され、社会に組み込まれなかったものは不適合者として隔離される。過去に作られた仕組みの中で生まれ学校に通い会社に通い棒になって死んでいく。そこでは協調と生産が強いられ、見せかけの自由があるのみだ。かわいい男の子と1LDKで詩を紡ぎながら生きたいものだと思いながら窓を閉めた。